前回「昆虫版」レッドリストで多くの昆虫が絶滅もしくは絶滅危機にあることに驚かされました。このリストがきっかけとなり、二つの書物を手にすることになりました。一つ目は「沈黙の春」(レイチェル・カーソン著/新潮文庫)、もう一つは「サイレント・アース」(デイヴ・グールソン著/NHK出版)です。これらの書物はわたくしたち農業人にとって大いなるショックでした。
昆虫たちが減少する主な要因として指摘されているのは、①気候変動による気温上昇や水害、②土地開発による生息地域の縮小、③殺虫剤や除草剤、化学肥料の散布によるものとされています。特に③は家庭用や公園管理、農業などで使用されており、農業者にとっては罪悪感を抱きます。
当園では除草剤は土壌汚染にもつながるものと考え使用していません。ただ、殺虫剤や化学肥料の散布は収穫量の確保などの点から完全になくせていないのが現状です。当面は化学肥料の代替対策として、①リン酸塩の代用となる貝殻や脊椎動物の骨(調達先選考中)、②カリの代用となる木の灰や木炭(実施済み)、③窒素の代用となる残渣のコンポスト(家庭では実施済み)を活用していきたいと考えています。そして殺虫剤の代替品を早期に見つけ出していきたいと思います。もしもっと良いアイデアがあればお聞かせください。